ということで、本日は猫のゴロゴロについてのお話
猫の気持ち良さそうなゴロゴロ、だが、その音の高さで猫のご機嫌や体調がわかるといわれているのをご存じだろうか...
そもそも猫は何故ゴロゴロするのか
猫は1匹でいるときに、ゴロゴロと喉を鳴らすことはないと考えられており、ゴロゴロは他の猫や人に対するコミュニケーションツールのひとつだと言われている、実際、子猫が母乳を飲むとき、猫同士の触れ合い、リラックス、飼い主さんへの甘えや要求など喉をならすシーンは様々である、ゴロゴロと喉を鳴らすのは総じて甘えや気持ちが良いと考えがちだが一概に気分が良いとは言えないのだ、具合が悪いときや動物病院の診察、出産、更には死に際に鳴らすことも報告されており、これは、飼い主さんに苦痛を伝えるため、または、猫が自分を落ち着かせるためと考えられている
猫のゴロゴロ音は気持ちや状況によって音程が異なる
子猫のゴロゴロ音は中低音で、子猫がゴロゴロ音を出せるようになるのは、大体、生後2日から1週齢くらいからで、おっぱいを飲みながら中低音で鳴らす、大人の猫と比べると、やや小さめの音で親猫に感謝の気持ちをとゴロゴロ音で伝えているのだ、また、まだ目や耳が発達していない子猫に自分の存在を知らせるために、親猫もゴロゴロと音を鳴らす振動で自身の存在を伝えている
リラックス中も中低音
飼い主さんに撫でられているときや、食事中など幸せな気分のときのゴロゴロ音は大きめの中低音で、ゴロゴロ音で飼い主さんに満足していることを伝えている、多頭飼いの場合は、仲良しの猫同士でくっついたり、グルーミングし合ったりしながらゴロゴロ音を出すこともある
甘えや要求は高音
要求があるときの音は、リラックス時のゴロゴロ音よりもやや高めで、このゴロゴロ音を聞くと何となく落ち着かない気分になる飼い主さんもいると思うが、その理由は「周波数」にあるのだ、要求のゴロゴロ音は220~520Hz(ヘルツ)の間で、平均は380Hzと人間の赤ちゃんの泣き声とほぼ同じである、そのため、なんとなく「早くなんとかしなくては」と急かされた気分になってしまうのだろう、なので、猫は人と暮らしていく上で、この周波数のゴロゴロ音を学習していったと考えられていて、この周波数のゴロゴロ音を聞いた飼い主さんが慌ててフードを出すところを見て効果的だと実感したのかもしれない
苦しいや怯えは低音
猫は、苦しさや痛み・怯え・出産・死の間際などでも喉を鳴らすことがある、このときのゴロゴロ音は低い音でゴロゴロ音で飼い主さんに苦痛を訴え、助けを求めているのかもしれない、猫は、ぎりぎりまで体調不良を隠す動物なので、いつもより低い音で喉を鳴らしている、なんだか元気がないというときは要注意である、その場合は体調不良を疑い、速攻、動物病院へ連れて行くべきである、だが、猫のゴロゴロ音については、まだまだ解明されていないことが沢山あり、単純に音の高さや大きさだけで判断せず日々の暮らしの中で愛猫の表情や状況をよく観察して判断するように心掛ける
猫のゴロゴロ音には人を癒す力がある
猫のゴロゴロ音を聞いていると「ほっとする」や「癒される」という方も多いのではないだろうか、中には、愛猫のゴロゴロ音で眠くなったり、そのまま寝てしまった方もいるだろう、家族である愛猫が幸せそうな顔でゴロゴロいっていると、それだけで幸せな気分になるが、これは、周波数の観点からも証明できると考えられているのだ、リラックスしている猫のゴロゴロ音は25Hzの低周波で、20~50Hzの低周波は交感神経の働きを抑え副交感神経を優位にして、人の緊張をほぐす効果があると言われている、更に、その低周波には、人をリラックスさせ不安感を減らすホルモン「セロトニン」の分泌効果もあるため、ゴロゴロ音で癒されるのには、科学的な根拠もあるのだ
ゴロゴロしない猫
猫の中には、ゴロゴロ音を出さない猫もいるので喉を鳴らすのを聞いたことがないからと言って気にする必要はない、特に、人に慣れていない猫は鳴らさない猫が多い、また、人にあまり甘えないタイプの猫もゴロゴロ音を出すことが少なめである
ポイント
聞いているだけで幸せになる猫のゴロゴロ音は、猫のコミュニケーションツールのひとつであり、様々な種類や意味がある、リラックスや幸せ、要求や甘え、子猫と母猫のコミュニケーション、そして、体調不良や怯えなどだ、音の高さや大きさで猫が伝えたいことが分かることもあるが、猫の様子や状況、体調も観察した上で猫の気持ちを考え、コミュニケーションを取っていくことが大切である